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2019/12/05

The Best of Brutal Death Metal 2019 vol.01 (Devourmentら強力リリース+レーベル特集)

右上のタブをクリックしてプレイリストを全体表示することが出来ます。

▲プレイリスト▲
Devourment - A Virulent Strain of Retaliation
Abnormality - Curb Stomp
Soul Of Slamming - Gelombang Kematian
Defiled Crypt - Sifting Through Regurgitated Swill
Animals Killing People - Wizardry of Animal Shapeshifting
Raped by Pigs - Sadistic Post Mortem Squirts
Shinda Saibo No Katamari - Saibogu
Vituperate - Facilitation of Perineum Caedo
Darkall Slaves - Cacophrenic Apperception
Trichomoniasis - Chlamydial Duct
Carnal - Embedded With Spores
Depulsed - Throne of Dissipation
Amorfati - Hompimpa Alaium Gambreng
Perverted Dexterity - Profligacy Through Impurity
Myocardial Infarction - Believing
Hypochondriac - Merciless Revenge
Interfectorment - Grotesquely Decay
Apoptosis Gutrectomy - Xenophobia

***

2019年も終わり。今年も多くのブルータルデスメタル作品がリリースされました。序盤はB級なリリースが多かったですが、終わってみれば昨年同様、印象的な作品がいくつもありました。

昨年のベスト記事でも書いたように、ブルータルデスメタルに関しては下記の3通りのサブジャンルを意識しながらチェックしていました。

⑴ : ブルータルデスメタル (ブラスティング/オールドスクール)
⑵ : スラミングブルータルデスメタル
⑶ : テクニカルデスメタル

このプレイリストでは(1)に該当する楽曲をまとめています。(1)にピックアップした楽曲は80曲を超える為、20曲程度に振り分けて全4回に分けてコメントを残していきます。


まず、なんといっても今年はDevourmentが6年振りにフルアルバム『Obscene Majesty』をリリースしたことが大きかったでしょう。驚いたのはメンバーラインナップ。

ボーカル : Ruben Rosas
ギタリスト : Chris Andrews
ベーシスト : Dave Spencer
ドラマー : Brad Fincher

BradがDevourmentのレコーディングに参加するのは、名作『Molesting the Decapitated』振り。そしてRubenはこれまでギター/ベースを担当してきましたが、『Molesting the Decapitated』振りにリードボーカルに復活しています。(*プロデューサーBranxton Henryも『Molesting the Decapitated』のマスタリング/エンジニアリングに携わっています) Devourmentの近年の評価については、もちろん高かったですが、古き良きDevourmentを求めることは多かったですし、このニュースに歓喜するファン達の盛り上がり方は凄かったです。作品の内容も期待を裏切らない血生臭いブラストまみれのブルータルデスメタル。


次いでマサチューセッツの中堅女性ボーカルブルデス、Abnormalityの3年振りフルアルバム『Sociopathic Constructs』も素晴らしい作品でした。Metal Blade Recordsからのリリースではあるものの、コアなブルデスリスナーも慄くハイスピードなブラスティングスタイルを軸に、ドラマティックにテンポダウンしていくダンサブルなリフワークもハイセンスで、Mallikaのガテラルも展開に呼応するようにして炸裂しています。


ドラマーVivi。若干23歳。

ブルデスシーンで活躍する女性でいうと、インドネシア/ランプンを拠点に活動するSoul of SlammingはドラマーViviが女性で、Jasad直系のフックの効いたブラスティングブルータリティを披露しています。ニューアルバム『Rekonstruksi Dogma』は、活発なインドネシアシーンの中でも頭ひとつ抜きん出た才能を感じさせてくれます。


正統派で言えば、テキサス出身のDefiled CryptがUnmatched Brutality Recordsからリリースしたニューアルバム『Convoluted Tombs of Obscenity』は初期Decrepit Birthを少し円やかにしたような、2000年代初期Sevared Recordsを想い起こさせてくれるサウンドをプレイしました。Jon Zigによるアートワークもサウンドにマッチしていて、素晴らしい。古き良きブルータルデスメタルのえぐみを持つバンドは、スラミング主流の現行シーンにおいて、とても貴重に感じます。

"古き良きブルータルデスメタルのえぐみ”をキーワードに2019年のリリースを振り返ってみると、New Standard EliteとBrutal Mind両レーベルが発表した作品は聴き逃せません。圧倒的なスピードと熱量の高い混沌。高い演奏技術だけでは表現できないものがこれらレーベルが作品をリリースするバンドにはあると感じます。

両レーベルの作品を振り返る前に、他レーベル所属バンドやどこにも所属していないバンドらをいくつかピックアップしてみましょう。


まずはAnimals Killing PeopleがGorepotとスプリットという形でCDN Recordsから『Maleficis de Saltu (Sorcery of the Jungle)』という作品を発表した。ゴアグラインドリスナーにもお馴染みのバンドで、動物達が人間界に復讐をするといった過激なアニマルライツ思想をホラーテイストで描く歌詞/アートワークの世界観は唯一無二。同様にRaped By Pigsもアニマルライツではないですが、一緒にチェックしておきたいバンドです。彼らはスラミングスタイルですが、Animals Killing Peoplesはアヴァンギャルド・ブルータルデスメタルといったところでしょうか。


アヴァンギャルドといえば、Shinda Saibo No Katamariも変幻自在にテンポチェンジしながら、独創的なブルータルデスメタルをプレイしており、Willowtip Recordsリスナーにもアプローチできそうな才能を秘めているように感じます。


さてここからはNew Standard EliteとBrutal Mindからそれぞれ作品を発表したアーティスト達を簡略的に紹介していこうと思います。



Vituperate

アメリカ/ノースカロライナを拠点とする3ピース。ベース/ボーカルのJustinとドラマーTravisはそれぞれに数多くのブルータルデスメタルバンドを抱えています。メンバーが所属しているバンドは下記の通り。凄まじいです。

Justin Downs (Bass, Vocals)
Amputated Genitals, Brake Fluid Injection, Endoparasitic, Human Excoriation, Molecular Fragmentation, Purulent Necrosis, Scatology Secretion, Intraocular Anomalies

Travis Cook (Drums)
Human Excoriation, ex-False Hope, ex-Her Body Twitches, ex-Aggressive Measures, Cæsura, Intraocular Anomalies, ex-Decimated Humans, ex-Darkness Remains, ex-Killwhitneydead, ex-Rotting Obscene, ex-Methadone Abortion Clinic, ex-Speak of the End

Darkall Slaves
フランス出身5人組。CenotaphやShockwave Extinctionのメンバーが所属しているだけあって、テクニックは一級品。New Standard Eliteの中では正統派だと思いますが、独特のえぐみがあり、コアなブルータルデスメタルリスナー向けといえるでしょう。

Trichomoniasis
謎多きアメリカ出身ブルータルデスメタル/ゴアノイズユニット。ゴアノイズ的なヴィジュアルのバンドがNew Standard Eliteから出るようになったのは面白いですね。

Carnal
ニュージーランドのブルータルデスメタルシーンで活躍するミュージシャンが集まって結成。Vixen ExecutionやBrutalized Mortality、Horrendous DisfigurementやMolest the Episcopateの活動がストップし、はじまったようです。Shinda Saibo No Katamariに近いアヴァンギャルドな質感を持っています。

Depulsed
ラスベガス出身4人組。Willowtip的なプログレッシヴ/テクニカルな質感を持ちながらもディープなガテラルとシャープなリフワークが光るブルータルデスメタル。メンバーがそれぞれに所属しているバンドも面白いです。

Jim (Drums)
Abnormal Inhumane, Birth of Depravity, ex-Remnants of Flesh

Jose (Guitars)
ex-Cordyceps

Adrian (Guitars)
ex-Cordyceps

Clayton (Vocals)
Implements of Hell, Umbilical Asphyxia, Shepherd Dismemberment, ex-Cordyceps, ex-Pathology, ex-State of Decay

Zakk (Bass)
Euphoric Defilement, Hideous Rebirth, Innominate


ここからはBrutal Mindからアルバムをリリースしていたり、シングルを発表したバンドの中から印象的だったバンドを紹介していきます。



Amorfati
東ジャワ州出身の若き3ピース。ベーシストのDianはCriminal Impact、Kamuflase、Usus Buntuといったバンドでもプレイしています。ドラマティックな楽曲展開には、ハードコアっぽいフレーズもあったりしますが、基本的にはインドネシアらしいブラスティングスタイル。


Perverted Dexterity
西ジャワ州出身ワンマンブルータルデスメタル。今年はシングルのみのリリースだったが、非常に完成度が高く驚きました。クレジットをみてみると、ドラムはBrutal Daveが叩いているようで納得...。それにしてもその他を全て、25歳の青年がやってるとは思えない程のハイクオリティですね。

Myocardial Infarction
Pathologically Explicit Recordingsから2018年にアルバム『Postmortal Slam Party』を発表した日本出身5人組。New Standard Eliteから今年出たシングルはややスタイルが変わったように思います。

Hypochondriac
Digging UpのギタリストTerryが所属する東ジャワ州の3人組。Jasad的グルーヴィ・ブルータルデスメタルの若手正統派です。

Interfectorment
西ジャワ州出身2012年結成5人組。いかにもインドネシアなブルータルデスメタルサウンド。メンバーそれぞれに所属している様々なバンドも面白いものばかりです。

Teguh (Bass)
Digging Up, Insolence, Sethos

Endep (Drums)
Pyroclasmic, ex-Apoptosis Gutrectomy

Agung (Guitars)
Stigmatuary, Tujikane,ex-Digging Up

Deddy (Vocals)
Cadavoracity, ex-Asphyxiate, ex-Cuntopsy

Bob (Vocals)
Turbidity, ex-Bleeding Corpse

Apoptosis Gutrectomy
西ジャワ州出身2010年結成4人組。PsychophagiaのJulianとDeniが中心となっており、かなりレベルの高い正統派ブルータルデスメタルです。



次回の更新もお楽しみに! 是非このブログをシェアして頂けますと嬉しいです。

2018/12/13

追悼 Erik Lindmark (Deeds of Flesh / Unique Leader Records)

ブルータルデスメタルシーンの牽引者として、Unique Leader RecordsのCEO&ファウンダーとして、そしてDeeds of Fleshのギタリスト/ボーカリストとして活動を続けてきたErik Lindmarkさんが11月29日に多発性硬化症で亡くなりました。46歳。彼が手掛けた膨大なUnique Leader Recordsのリリースアルバム、そしてDeeds of Fleshが残した数多くの作品達はこれからもブルーデスメタルシーンで語り継がれていく事は間違いない。

現在、有志によって立ち上げられたgofundmeのチャリティプロジェクトは、Erikさんの家族を経済的に支援する為に、募金活動を行っております。英語サイトではありますが、日本からも送金が可能ですので、ご協力お願い致します。


生前、ありがたいことにErikさんにUnique Leader Recordsについてインタビューさせていただく機会がありました。それは私が出版した『ブルータルデスメタルガイドブック』に掲載されており、Deeds of Fleshのバイオグラフィやディスコグラフィも収録されています。今回は上記にも書いたように、Erikさんの家族をサポートするチャリティプロジェクトを日本の方にも知っていただき、募金するきっかけになればと思い、『ブルータルデスメタルガイドブック』に掲載したErikさんのインタビューを公開したいと思います。


1 : 1997年、カリフォルニアを拠点に”Unique Leader Records”を設立されました。設立のきっかけは何でしたか?また、当時どのようなメンバーで運営をなさっていましたか?

”Unique Leader Records”はかなりクレイジーな始まり方をしたんだ。というのも、たまたま手に入れる事になったのさ。1998年、僕たちがDeeds of FleshのInbreeding the Anthropophagiをリリースしたタイミングで、当時のレーベルとの契約が終了したんだけど、そのタイミングでいくつかの大きなレーベルからのオファーを受けていたんだ。次はどこと契約しようかと検討していた僕達のもとに、ヨーロッパにCD工場を持っている当時の友人からオファーが来た。彼はアメリカでレーベルを立ち上げたいと考えていたんだ。オファーの中にはレーベルの運営も含まれていたね。かなり良い条件を約束してくれた事もあって、僕たちはそのレーベルの最初のバンドになるつもりだった。でもそのあとヨーロッパのCD工場がうまく行かなくなって、彼らはレーベル用の資金も工場のカバーに充て始めたのさ。最終的に僕が自分の財産でレーベルを買い取って、宙ぶらりんの状態から立て直したんだ。Jacobyと僕がオリジナルのオーナーだよ。

2 : Unique Leader Recordsという名前の由来があれば、教えて下さい。

”Unique Leader Records”は、レーベルが僕らのものになる以前の名前にちょっと手を加えたものだよ。Deeds of FleshとDisgorgeのメンバーで一緒に名前を考えたんだ。深い意味があるわけではないけど、気に入っているよ。


3 : 99年にDeeds of Fleshのプロモーション音源やフルアルバム” Path of the Weakening”、Disgorgeの名作”She Lay Gutted”をリリースされました。活動スタートともに素晴らしい作品を立て続けにリリースされました。リリース時、どのような反応がリスナーから得られましたか?

リスナーからの反響は素晴らしいものだったよ。大きな規模でディストリビューションを行うことが出来たしね。本当にあの2枚のおかげで、僕たちは窮地を脱する事ができた。そして、ここからレーベルが大きく育っていったんだ!

4 : 2001年からはオランダのDasavowedやPyaemia、Brutus、オーストラリアのPsycroptic、スウェーデンのSpawn of Possessionといったアメリカ国外のアーティストの作品もリリースされました。彼らとのコンタクトは当時、
どのように取られていたのでしょうか?またリリースに至ったきっかけは何ですか?
実はね、君の質問にあるバンドは全部、向こうから話を持ちかけてきたんだ。そして僕たちはそれらのバンドに素晴らしい可能性を感じたから、リリースすることにしたんだよ。それだけのことさ。


5 : Deeds of Fleshを筆頭に、Decrepit BirthやSevered Savior、Beheadedなどといったテクニカルなスタイルのバンドを当時からよくリリースされていますね。Unique Leader Recordsのレーベルカラーを意識し始めたのは、いつ頃からでしょうか?

特に意識はしてなくて、当時から僕らは変わらずに、Unique Leader Recordsらしいアーティストをリリースしてきているよ。エクストリーム・メタルこそ僕らのブランドであり、信条なのさ。今までもそうだったし、今日も、そしてこの先もきっとそうなんだ。ドゥームメタルなんかをリリースする事は、きっとないと思うよ。

6 : オンラインストアはいつ頃から開始されましたか?オンラインショップを活動された当時と、現在では大きくシステムは変わりましたか?

イーコマース (インターネットやコンピュータなど電子的な手段を介して行う商取引の総称)は時代、そしてプラットフォームの変化に沿って変わってきた。僕らはそれらがスタートした頃から使ってきたし、運営する上で大切なパートであるね。Unique Leader Records所属アーティストのアイテムを扱ってくれるIndiemerchは僕らの最高のパートナーだよ。



7 : Unique Leader Recordsのリリースの中で、一番売れた作品はなんですか?
それについては残念だけど公開していないんだ。


8 : CDが売れない時代になったという話は、3、4年前から聞かれ始めてきました。
ブルータルデスメタルシーンでも同様なことが起こっていますか?
そうだね。トレントやその他のファイル共有サービスの普及によって、音楽はアーティストから盗まれてしまった。そしてこれはメタルシーンに限らず、すべてのジャンルの音楽において言える事だよね。アーティストやレーベル、音楽業界に携わるすべての人にとって悪い影響があるよ。


9 : これからブルータルデスメタルのレコードレーベルを運営していく上で、
大切にしていきたいことは何でしょうか?

僕たちが大切にしているのは、レーベルが持つブランドと
「どういうレーベルとして知られているか」というイメージを守りながら、
ファンのみんなに対して誠実で在り続けることだよ。



2017/04/25

Vomit Remnants "Final Groove Brutality Tour" 東京公演ライブレポート

Vomit Remnants “Final Groove Brutality Tour” 無事終了!

ニューアルバム「Hyper Groove Brutality」を携えて行われた奇跡の復活ツアーは東京、大阪の両公演ともに多くのファンが来場。強力な国内ブルータルデスメタル勢と、海外からやってきた豪華な3組がイベントを盛り上げてくれました。RIFF CULTでは、海外勢をヘッドライナーに迎えて行ったエクストラショウと、Vomit Remnants東京公演の企画/制作を担当しました。当日の模様を、今回企画に至った経緯などを交えながら、レポートしてみたいと思います。

昨年10月に出版した「ブルータルデスメタルガイドブック」をキッカケに、編集長のハマザキカクさんのご紹介で、Vomit Remnantsのドラマー坪井さんと連絡をとる事になった。日本のブルータルデスメタルシーンの一時代を担ったレジェンド。メールとはいえ、とても緊張しながら挨拶したことを覚えている。坪井さんはメールの文面からも分かるほど真摯で、僕なんかにも丁寧に会話してくれた。

準備段階でとてもお世話になった坪井さんと石田さん (from Vomit Remnants)

イベントの開催に向けて、日夜やり取りをとる中で、海外のブルータルデスメタルバンドからVomit Remnantsの復活ツアーに参加したいというメールが坪井さん宛に来た。彼らはタイ出身のEcchymosisとImbrued Blemishmentで、Vomit Remnantsの大ファンだと言う。Ecchymosisは「ブルータルデスメタルガイドブック」の中でアルバムレビューもしているし、人気、実力ともに確かなバンドであることは間違いなかったので、スムーズにツアーへの参加が決まった。イベントブッキングを進めている途中では、ロシアの7 H. Targetの出演が決まり、せっかくならエクストラショウをやりましょうと提案。日本の現行ブルータルデスメタルシーンで活躍するユース達とも連絡を取り、エクストラショウのブッキングもトントン拍子に進んで行った。

ツアーアナウンス時のフライヤー。RIFF CULTの文字がこのフライヤーに入っていて感動した。

RNR TOURSというパンク/メタルコアを専門にしているブッキングエージェントチームを運営している私は、海外アーティストのスケジュール組みなどにおいて多少の知識はあった。海外3組とのやり取りは、タイで同じようなチームを運営しているSomprasongを介して行った。

Somprasongは、Defeated Sanityのタイ公演をブッキングしたり、その他にも多くのブルータルデスメタルイベントをタイで開催している。彼のバンド”Pathological Sadism”も知っていたし、とても頼り甲斐のある男だった。各バンドのメンバーらも事前にコンタクトを取り、少しでも不安を取り除けるようやり取りを続けた。

Somprasongと僕。彼とは特に仲良くなった。

イベント開催週には、続々と海外勢が来日。事前にマーチャンダイスのプリントを頼まれていたので、物販の受け渡しの為に、Ecchymosisの面々らと事前面会。みんなナイスガイだったし、朝から晩までディスクユニオンをまわって、CDを買いまくっていた。翌日には7 H. Targetのスタジオ練習にお邪魔して、ツアースケジュールの最終確認を行った。

4月21日、海外勢をヘッドライナーにしたエクストラショウを初台WALLにて開催した。この日は、個人的に注目している国内ブルータルデスメタルバンドを招き、全7組でイベントを開催した。お昼過ぎから会場入りし、順番にリハーサルを進めていった。1番最初にリハーサルしたImbrued Blemishmentは、サンプラーが上手く起動せず焦ったが、Ecchymosis、7 H. Targetのメンバーの持ち込み機材を借りながらなんとかリハーサルを終える事ができた。電圧も違うし、慣れない海外の会場で、限られた時間を使ってリハーサルするということがかなりのプレッシャーだったらしい。こういう時、これまでRNR TOURSで経験してきた知識が役に立つ。

エクストラショウのフライヤー。Imblued BlemishmentのSunyaが作ってくれた。

メンバーは各々会場周りを散歩したり、国内バンドの物販を眺めたりしながらオープンまでの時間を過ごした。今回、このツアーに参加したCoyote RecordsとBrutal Mindの物販ブースはオープン前から賑やかだった。日本国内ではほぼ見る事もないようなアイテムの数々。オープンからブルデスマニアが物販に列をなし、それぞれのブースで買い物を楽しんでくれた。ブルータルデスメタルのマーチャンダイス販売を生業にしている人は、東南アジアに多いように感じる。以前、インドネシアツアーで訪れたJakCloth Festivalの会場では、会場外にもブースが並び、オフィシャルかアンオフィシャルか際どいようなアイテムを売ってる人達がわんさかいた。彼らとコミュニケーションを図りいろいろと話してみると、オンライン販売でこういったアイテムを海外向けに販売し、利益を得ているそうだった。

歌舞伎町でCoyote RecordsのDmitryと遊んだ時の写真。

そうこうしているうちに、1バンド目のStrangulationがスタート。Internal Bleedingを彷彿とさせるキャッチーなリフが鋭く刻み込まれ、モッシュパートをふんだんに盛り込んだパワフルなステージで会場を沸かせてくれた。7 H. Targetのギタリスト、Alexが彼らを相当気に入って物販を購入していたのを覚えている。


2番手はInferno Hades。「ブルータルデスメタルガイドブック」を出版してから、国内のブルータルデスメタルバンドをチェックしている時に出会ったバンドで、デビュー作の素晴らしい仕上がりに感動したのを覚えている。雪崩の如く押し寄せてくるテクニカルなフレーズに、最前列は口をポカンとあけて、見入っていた。この日がデビューライブだったようだが、そんなことを感じさせない圧倒的なステージを披露してくれた。


3番手はTentacle Centipede。2017年3月分のRIFF CULTプレイリストをチェックしてくれた人なら事前にチェックしてくれていたと思うが、個人的にとても好きなサウンドプロダクションのバンド。グルーヴィなリフとスネアのサウンドが絶妙で、会場も沸いていた。


4番手は海外勢1発目、Imbrued Blemishment。豪快なリフに食らいつく、パワフルなブラストビートは、オールドスクールな風合いを醸し出しながらガンガン叩き込まれていく。淡々と唸るガテラルも素晴らしかった。


5番手はImbrued Blemishmentと同じタイ出身のEcchymosis。「ブルータルデスメタルガイドブック」の編集長、ハマザキカクさんとはこのバンドについて話すことも多かったくらい、とても注目していたバンド。とにかくブラストビートの安定感が凄くて、楽曲構成もブラスト一辺倒ではなく、スラム連発のグルーヴィーなスタイルなのは驚いた。ボーカルLigoreの存在感もバッチリで、会場を一気に殺気立たせた。


6番手は日本からVeiyadra。久々のライブということを感じさせない安定したステージ。ギターソロを交えながら、独特な雰囲気を醸し出しながら、リフを刻み込み続けた。アルバムを大好きでよく聴いていたし、是非またRIFF CULTのイベントに呼びたいと思えるステージだった。


この日のトリはロシアの7 H. Target。正式な呼び方は「セブン・ヒューマン・ターゲット」らしいが、メンバーは自身を「セブン・エイチ・ターゲット」と呼んでいた。アヴァンギャルドな楽曲構成で、アレックスが奏でるフランティックなギターソロとノイズまみれのベースラインが絶妙なグルーヴを醸し出していた。いかにもCoyote Records所属のバンドらしい、カオスなステージを披露してくれた。


熱狂で幕を閉じたエクストラショウ。メンバーも思い通りのプレイが出来て満足していた。翌日もあるので、打ち上げもせず帰宅。7 H. Targetのメンバーが歌舞伎町に行きたいといっていたので、少し付き合った。インターネットの世界でしか見た事がない、リアルな日本のネオンに興奮気味だった。

歌舞伎町と7 H. Target。

一夜明けて遂に、Vomit Remnantsの復活ツアー、”Final Groove Brutality Tour”1日目がスタート。会場入りは10:30。僕が会場入りしたころには、Vomit Remnantsのリハーサルが行われていて、綿密に照明やモニターのチェックを繰り返していた。生で体感するVomit Remnantsのグルーヴに興奮。早めに会場入りしていたタイ勢もリハーサルを食い入るようにみていた。彼らと過ごしていると、いかにVomit Remnantsが伝説的な存在なのかを改めて感じる事が出来た。EcchymosisのLigoreが興奮しすぎてた光景は忘れられない。

Vomit Remnantsのリハーサル

会場設営を進めながら、チケット取り置き表を整理。会場廊下に設置された物販スペースの光景は圧巻だった。Vomit Remnantsの気合の入った物販に、海外勢が驚いていた。オープン前に買い物しようと試みる者もいたくらい笑

物販の様子。ワイルドサイド史上、一番物販が凄かった日らしい。

オープンしてすぐにVomit Remnantsの物販には長蛇の列が出来た。予想できない混雑にあたふたしたが、なんとか1番手のDiarrheaがスタート。ユニット体制のブルータルデスメタル/ゴアグルーヴは、会場のボルテージを沸点ギリギリまで高めてくれた。せわしなく掛け合うツインボーカルも素晴らしかった。

2番手はHorrific Disease。スラッシーなリフがファストなブラストビートと上手く混ざり合いながら、繰り広げられていく。アルバム「Outbreak」をチェックしていた人も多く、素晴らしいステージを披露してくれた。


3番手はGorevent。圧倒的にダークな雰囲気を持ち、スローテンポなスラムパートに食い込む無慈悲な重低音リフが会場を殺気立たせていた。彼らを目当てに来ているお客さんも多く、その人気の高さが伺えた。


4番手はImbrued Blemishment。メンバーの気合も十分で、フロアはタイの生々しいブルータルデスメタルを聴こうと溢れんばかりの人で埋め尽くされていた。ファストなブラストビートを切り裂く荒々しいリフがフロアを揺らした。


5番手はEcchymosis。Goreventのファンが特に暴れ狂っているのが印象的だった。ワイルドサイドにこだまする、ハイセンスなソリッドリフ、スラムパートの破壊力は昨夜以上だったし、ブラストビートの突き抜け感も凄かった。多くのお客さんが彼らの出番後にCDを買い求める光景が印象的だった。彼らをヘッドライナーに再来日もあり得ると思う。


海外勢最後は7 H. Target。日本の”HENTAI” カルチャーをイントロとしてバンドサウンドに取り入れ、カオティックなフレーズを盛り込んだスラムパート満載の楽曲が会場を揺らした。普段触れる事のない、ロシアのブルータルデスメタルサウンドは、日本でも受け入れられたように思う。


そして最後は、Vomit Remnants。彼らのステージを待ちきれないブルデスキッズの絶叫があちらこちらで聞こえて来る。会場SEがフェードアウトし、証明が落ちると、フロアの興奮は絶頂に達した。Vomit Remnantsの当時を知る人達、伝説を始めてみる若いリスナーが入り混じるフロアのカオスには、Imbrued Blemishment、Ecchymosis、7 H. Target、そしてCoyote Records、Brutal Mindのボスの姿もあった。世界中が彼らの復活を喜び、この日を待ちわびていた。名盤「Supreme Entity」の楽曲が披露されると、大きな歓声がわき、モッシュピットが発生した。およそ1時間に及んだステージは大盛況。終演後はステージに出演者達が集まり、記念撮影をした。


イベントが終わってもなかなか皆帰ろうとしない。余韻が凄い。Vomit Remnantsのメンバーも、海外勢もお客さんも。素晴らしい一夜になった。

明日の大阪公演に向けてVomit Remnantsは名残惜しそうに会場を後に。海外勢は夜移動だった為、新宿駅まで連れて行った。会場から歩きながら、今日の思い出を楽しそうに話す、7 H. Targetのメンバー達。「RIFF CULTは今後もイベントブッキングを続けるべきだ」とCoyote Recordsのボス、そしてSomprasongに声をかけてもらえたのは嬉しかった。

自分の終電があったので、クルーマネジメントをするSomprasongに乗り場の案内とチェックインしたチケットを渡し、みんなに声をかけて帰宅した。多くの外国人が利用するバスタ新宿は、英語、韓国語、中国語のアナウンスがあるし、外国人だけでの利用もスムーズ。こういう時、日本の行き届いた”おもてなし”文化に感謝する。僕が終電に飛び乗ってすぐ、Somprasongや他のメンバーから「ケアしてくれてありがとう!またすぐ日本に戻りたいから、その時はまた一緒にツアーしよう!」とメールが来た。翌日の大阪公演も大いに盛り上がり、メンバーも翌日からのオフを各々に楽しんだそうだ。

坪井さんから無事に大阪公演を終えた事、そしてイベントを組んでもらえてありがとう!と連絡が来た時、RIFF CULTをスタートして本当に良かったと思えた。これからもRIFF CULTとしてブルータルデスメタルを始め、エクストリームミュージックを盛り上げたいと思った。たくさんの出会いがあった今回のツアー、次回の計画も少しずつ進めているので、楽しみにしていてほしい。そしてなにより、Vomit Remnantsのニューアルバム「Hyper Groove Brutality」を聴きまくってほしい。

Special Thanks :
Vomit Remnants
7 H. Target
Ecchymosis
Imbrued Blemishment
Gorevent
Horrific Disease
Diarrhea
Shinjuku Wildside
Coyote Records
Brutal Mind
Inferno Hades
Strangulation
Veiyadra
Tentacle Centipede
Hatsudai Wall
はるまげ堂 関根様
Amputated Vein Records様
Undead Daredevil Syn様
Unique Leader Records
Deadly Sins 倉橋様
パブリブ ハマザキカク様
ぺどくん
コーナープリント
ようちゃん


ご来場下さったお客様 

2017/01/06

来日中! Guttural Corpora Cavernosa - ディスクレビュー


Guttural Corpora Cavernosa - You Should Have Died When I Killed You
Release : 2016
Label : Gore House Productions

2010年台湾にて結成。Gorepot、Maggot ColonyのベーシストJacob、ボーカルMaryを中心に、CoprocephalicのドラマーShuan、Beyond CureのギタリストMick、Flesh JuicerのギタリストZeroの5人体制で活動をスタートさせた。

2012年に1000枚限定でBrutalReign Productionsからファーストアルバム"Munching on the Red Carpet"を発表。斧で頭をぶった切る衝撃的なアートワークも相まって、Gorepotのファンを中心に話題を集めた。Mick、Zeroが脱退し、3人体制で制作された今作は、トゲトゲしいガテラルヴォイスが衝撃的なインパクトをもたらし、もっさりとしたスラムリフがただならぬ雰囲気を醸し出している。

来日中! Maggot Colony (ディスクレビュー)


Maggot Colony - Perpetuating the Viral Infestation
Release : 2014
Label : Inherited Suffering Records

2013年台湾/台北市にて結成。バンド名は"蠅蛆殖民地"と漢字表記することもある。 

Gorepot、Guttural Corpora Cavernosaでの活躍で知られる台湾ブルータルデスメタルシーンの大御所Jacob Ningがギターを務め、ボーカルAiden Zhang、ドラムKane Chenを中心に活動をスタートさせた。2013年にプロモ音源を発表すると、同年にファーストシングル"Infinite Mind Extraction"を発表。Jacobの新しいプロジェクトということもあり、世界中から注目が集まった。

ロシアのブルータルデスメタルレーベルInherited Suffering Recordsと契約し、リリースされた今作はキャッチースラム盛りだくさんのモッシーな仕上がりとなっており、各パートのスキルの高さもうかがえる。

来日中! Parasitic Ejaculation (ディスクレビュー)


Parasitic Ejaculation - Rationing the Sacred Human Remains
Release : 2013
Label : Ghastly Music

2011年アメリカ/カリフォルニア州にて結成。Dragging EntrailsのドラマーDonovan Dettle、ベーシストのJosh Schwartz、親交のあったボーカルJonathan Neelの3人を中心に活動をスタート。

結成後直ぐにファーストデモ"Repulsive Rotted Anal Blast"をリリースすると、カリフォルニアブルータルデスメタルシーンを中心に話題を呼ぶ。2012年ファーストEP"Sickening Conduct"を発表すると、直ぐにプロモ音源を発表。Amputated Vein Recordsのサブレーベル、Ghastly Musicとフルアルバムの契約を結んだ。

Immaculate FatalityのギタリストMikeを加えて、レコーディングをスタートさせた。エネルギッシュなスラミングブルータルデスメタルを基調にキャッチーなリフ満載で、秀逸なピッキングハーモニクスが癖になる1枚。


Parasitic Ejaculation - Echoes of Depravity
Release : 2015
Label : Amputated Vein Records

2年ぶりのリリースとなったセカンドアルバム。前作"Rationing the Sacred Human Remains"で世界中のスラミングブルータルデスメタルファンを虜にした彼ら。今作は本家Amputated Vein Recordsとリリース契約を結び、制作されることとなった。

前年にドイツのブルータルデスメタルレーベル"Rebirth the Metal Productions"からリリースされたスプリット盤"Four Formidable Forms"に、Intestinal Alien Reflux、Gorepot、Traumatomyと共に参加した。

前作同様の安定したメンバーラインナップに加え、ゲストボーカルにShort Bus Pile UpのBill、Logistic SlaughterのJeremyが参加した。スネアサウンドが際立つシャープなサウンドプロダクションで制作された今作は、キャッチーなスラムリフが終始繰り広げられ、Jonathanのガテラルもアグレッシヴに繰り広げられている。ドロップベースを組み込んだスラムパートはセンス抜群。


2016/11/15

DOMMUNE 「ブルータルデスメタルガイドブック」で流した楽曲プレイリスト



先日、Dommuneにて生放送を行った「ブルータルデスメタルガイドブック」で流した楽曲をまとめたプレイリストを作成しました。

ブルータルデスメタルを知る上で、必ず知っておきたいバンドから、私自身がオススメしたい楽曲まで入っています。是非、「ブルータルデスメタルガイドブック」を片手に、聴いてみてください。