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2018/12/13

追悼 Erik Lindmark (Deeds of Flesh / Unique Leader Records)

ブルータルデスメタルシーンの牽引者として、Unique Leader RecordsのCEO&ファウンダーとして、そしてDeeds of Fleshのギタリスト/ボーカリストとして活動を続けてきたErik Lindmarkさんが11月29日に多発性硬化症で亡くなりました。46歳。彼が手掛けた膨大なUnique Leader Recordsのリリースアルバム、そしてDeeds of Fleshが残した数多くの作品達はこれからもブルーデスメタルシーンで語り継がれていく事は間違いない。

現在、有志によって立ち上げられたgofundmeのチャリティプロジェクトは、Erikさんの家族を経済的に支援する為に、募金活動を行っております。英語サイトではありますが、日本からも送金が可能ですので、ご協力お願い致します。


生前、ありがたいことにErikさんにUnique Leader Recordsについてインタビューさせていただく機会がありました。それは私が出版した『ブルータルデスメタルガイドブック』に掲載されており、Deeds of Fleshのバイオグラフィやディスコグラフィも収録されています。今回は上記にも書いたように、Erikさんの家族をサポートするチャリティプロジェクトを日本の方にも知っていただき、募金するきっかけになればと思い、『ブルータルデスメタルガイドブック』に掲載したErikさんのインタビューを公開したいと思います。


1 : 1997年、カリフォルニアを拠点に”Unique Leader Records”を設立されました。設立のきっかけは何でしたか?また、当時どのようなメンバーで運営をなさっていましたか?

”Unique Leader Records”はかなりクレイジーな始まり方をしたんだ。というのも、たまたま手に入れる事になったのさ。1998年、僕たちがDeeds of FleshのInbreeding the Anthropophagiをリリースしたタイミングで、当時のレーベルとの契約が終了したんだけど、そのタイミングでいくつかの大きなレーベルからのオファーを受けていたんだ。次はどこと契約しようかと検討していた僕達のもとに、ヨーロッパにCD工場を持っている当時の友人からオファーが来た。彼はアメリカでレーベルを立ち上げたいと考えていたんだ。オファーの中にはレーベルの運営も含まれていたね。かなり良い条件を約束してくれた事もあって、僕たちはそのレーベルの最初のバンドになるつもりだった。でもそのあとヨーロッパのCD工場がうまく行かなくなって、彼らはレーベル用の資金も工場のカバーに充て始めたのさ。最終的に僕が自分の財産でレーベルを買い取って、宙ぶらりんの状態から立て直したんだ。Jacobyと僕がオリジナルのオーナーだよ。

2 : Unique Leader Recordsという名前の由来があれば、教えて下さい。

”Unique Leader Records”は、レーベルが僕らのものになる以前の名前にちょっと手を加えたものだよ。Deeds of FleshとDisgorgeのメンバーで一緒に名前を考えたんだ。深い意味があるわけではないけど、気に入っているよ。


3 : 99年にDeeds of Fleshのプロモーション音源やフルアルバム” Path of the Weakening”、Disgorgeの名作”She Lay Gutted”をリリースされました。活動スタートともに素晴らしい作品を立て続けにリリースされました。リリース時、どのような反応がリスナーから得られましたか?

リスナーからの反響は素晴らしいものだったよ。大きな規模でディストリビューションを行うことが出来たしね。本当にあの2枚のおかげで、僕たちは窮地を脱する事ができた。そして、ここからレーベルが大きく育っていったんだ!

4 : 2001年からはオランダのDasavowedやPyaemia、Brutus、オーストラリアのPsycroptic、スウェーデンのSpawn of Possessionといったアメリカ国外のアーティストの作品もリリースされました。彼らとのコンタクトは当時、
どのように取られていたのでしょうか?またリリースに至ったきっかけは何ですか?
実はね、君の質問にあるバンドは全部、向こうから話を持ちかけてきたんだ。そして僕たちはそれらのバンドに素晴らしい可能性を感じたから、リリースすることにしたんだよ。それだけのことさ。


5 : Deeds of Fleshを筆頭に、Decrepit BirthやSevered Savior、Beheadedなどといったテクニカルなスタイルのバンドを当時からよくリリースされていますね。Unique Leader Recordsのレーベルカラーを意識し始めたのは、いつ頃からでしょうか?

特に意識はしてなくて、当時から僕らは変わらずに、Unique Leader Recordsらしいアーティストをリリースしてきているよ。エクストリーム・メタルこそ僕らのブランドであり、信条なのさ。今までもそうだったし、今日も、そしてこの先もきっとそうなんだ。ドゥームメタルなんかをリリースする事は、きっとないと思うよ。

6 : オンラインストアはいつ頃から開始されましたか?オンラインショップを活動された当時と、現在では大きくシステムは変わりましたか?

イーコマース (インターネットやコンピュータなど電子的な手段を介して行う商取引の総称)は時代、そしてプラットフォームの変化に沿って変わってきた。僕らはそれらがスタートした頃から使ってきたし、運営する上で大切なパートであるね。Unique Leader Records所属アーティストのアイテムを扱ってくれるIndiemerchは僕らの最高のパートナーだよ。



7 : Unique Leader Recordsのリリースの中で、一番売れた作品はなんですか?
それについては残念だけど公開していないんだ。


8 : CDが売れない時代になったという話は、3、4年前から聞かれ始めてきました。
ブルータルデスメタルシーンでも同様なことが起こっていますか?
そうだね。トレントやその他のファイル共有サービスの普及によって、音楽はアーティストから盗まれてしまった。そしてこれはメタルシーンに限らず、すべてのジャンルの音楽において言える事だよね。アーティストやレーベル、音楽業界に携わるすべての人にとって悪い影響があるよ。


9 : これからブルータルデスメタルのレコードレーベルを運営していく上で、
大切にしていきたいことは何でしょうか?

僕たちが大切にしているのは、レーベルが持つブランドと
「どういうレーベルとして知られているか」というイメージを守りながら、
ファンのみんなに対して誠実で在り続けることだよ。



2018/11/20

パンク女子急増中! 2019年注目しておきたい女性ボーカルポップパンク/メロディックパンクバンド特集 vol.01


パンクやハードコアといった音楽ジャンルにおいても、女性の持つ "しなやかさ" や "美しさ" は、男性にはない魅力であるし、それはエクストリームな音楽であるからこそエッジの効いたコントラストとして輝きを放つ。この記事では、近年華々しく登場し、2019年に活躍の期待される女性メンバーを含むポップパンク/メロディックパンクバンドをピックアップし紹介する。楽曲の良さ、見た目の良さ、好きになるポイントはなんでもよいと思う。気になるバンドがいれば、彼らのSNSをチェックしたり物販を購入してみてくれたら嬉しい。

*まずは記事先頭に埋め込んだYouTubeプレイリストを別ウィンドウで開き、再生しながら下記のバンド・インフォメーションに目を通してもらえたら効率良くチェックする事が出来る。

Stand Atlantic
出身 : オーストラリア/シドニー
ジャンル : ポップパンク
 Hopeless Recordsと契約し、アルバム『Skinny Dipping』を発表。今秋にはイギリスのポップパンクバンド、Neck Deepとのツアーを行う事を発表している。オーストラリアの女性ボーカルポップパンクバンドといえば、Tonight Aliveの活躍が目立つように、彼女らも初期Tonight Aliveに感じられたエモーショナルポップパンクの雰囲気に溢れている。Hopeless Recordsと契約したのも頷けるそのサウンドは、ポスト・ We Are The In Crowdとも言われている。

The Last Gang
出身 : アメリカ/オレンジカウンティ
ジャンル :  パンクロック
Fat Wreck Chordsに所属する3ピース。ギター/ボーカルBrennaの美貌もさることながら、The Bombpops、Bad Cop/Bad Copら近年新入りを果たした女性ボーカルパンク勢の中でもソングライティングのセンスは頭一つ抜きん出た存在だろう。

Violets
出身 : スペイン/バルセロナ
ジャンル :  メロディックパンク/ポップパンク
2011年から活動を続けるスペイン出身の3ピース。既に耳の早いメロディックパンクリスナーは彼女らの存在をキャッチしているだろうが、まだまだ本国以外では無名。シンプルなメロディックポップパンクサウンドにしゃがれたMomoのボーカルがカラフルに展開。次作のクオリティによっては大化けの予感もする。

War On Women
出身 : アメリカ/バルティモア
ジャンル :  メロディックパンク/メロディックハードコア
RNR TOURSで来日したAfter Th Fallが所属するハードコアレーベル、Bridge Nine Recordsに所属する5人組。2010年から"フェミニスト・ハードコアパンク"を自称し、ハイクオリティな熱いメロディックパンクサウンドをプレイしてきた。ボーカルShawnaは著書『Making Spaces Safer』において女性パンク/ハードコアミュージシャンとしての活動を生かし、女性が社会において、特にパンクリスナーなど若者/貧困層にある女性の為に出来るハウトゥーを紹介するなどしている。

Paylester
出身 : ブラジル/ポルト・アレグレ
ジャンル :  ファストメロディックパンク/メロディックハードコア
"高速メロディック/Fast Melodic"というキーワードにときめくメロディックフリークスは必ずPaylesterをチェックするべきだろう。女性版A Wilhelm Screamと形容されるのも頷けるテクニカルフレーズ連発のメロディックハードコアサウンドに見事に溶け合うボーカルSilviaの歌声が本当に素晴らしいです。南米メロディックシーンは世界的に未知な部分も多いが、We Are One TourなどでLagwagon、Adrenalized、Belvedereといった信じられない組み合わせのツアーが盛況であることからも、その動向から目を離さないほうがいいだろう。

Dream Nails
出身 : イギリス/ロンドン
ジャンル : インディパンク/パンクロック
UKロックというカテゴリーでも強烈な存在感から注目を集めている100% D.I.Y フェミニストガールズパンクバンド、Dream Nailsはまだまだ本格的なブレイクはしていないものの、モデルのようなヴィジュアルに反したクレイジーなリリックで主に女性から絶大な支持を得ている。

Doll Skin
出身 : アメリカ/アリゾナ
ジャンル :  メロディックパンク/ポップパンク
今、アメリカで最も勢いのあるガールズバンドではないだろうか。平均年齢19歳でありながら、クロージングを迎えた2018年のWarped Tourにフル出演。EMPやArtery Globalをバックに携え、世界進出を目論むおてんば4人組の勢いは誰にも止められない。

Yours Truly
出身 : オーストラリア/シドニー
ジャンル :  ポップパンク
本プレイリストの冒頭に取り上げたStand Atlanticに続くオーストラリア出身のYours Trulyは、ミュージックビデオ『High Hopes』がポストハードコア専門チャンネルDreamboundにて公開され、大きな話題となった。DreamboundではDream Stateなど、女性ボーカルバンドがしっかり評価されているイメージがあるし、彼女らの今後の飛躍には期待せざるを得ない。

Swan Prince
出身 : イギリス/バーミンガム
ジャンル :  メロディックパンク/スケートパンク
2017年結成とまだ新人ではあるが、日本のメロディックパンクバンド、Holidaysを彷彿とさせる良い意味でゆるいメロディックサウンドは好きな人かなり多いのではないかと思う。DESCENDENTSのシャツを着て、バチバチにタトゥーを彫り込んでいる見た目もクールだ。

CF98
出身 : ポーランド/クラクフ
ジャンル : メロディックパンク
ポーランドは知られざるメロディックパンク大国だ。残念ながら自国で勢力的に活動をしているバンドは少なく、近隣のチェコ出身のKrangやRabiesといったバンドと同じように、巨大な音楽パンクマーケットのあるドイツなどで勢力的に活動をしている。オリジナリティ溢れるメロディワークはポップパンクにも通じるものがあるが、凝ったメロディワークやソリッドでシリアスな雰囲気は、メロディックパンクのアグレッションを感じさせてくれる。

Nieviem
出身 : イギリス/リンカーン
ジャンル :  メロディックハードコア/スケートパンク
「お、Neviemだ! 渋いセレクトだなー」なんて思う人がいたら、あなたはれっきとしたスケートパンクフリークス。イギリスのメロディックパンクシーンでもまだまだ知名度は低く、メロディックパンクともハードコアパンクとも言えぬどっちつかずの立場でツアー活動を続けている。ただ、90年代の生々しいスケートパンクシーンの熱気をそのままパッキングしたような荒々しさがあるし、楽曲はかなりハイセンス。チェックしておいても損はないだろう。

Keep True
出身 : アメリカ/カンサス
ジャンル : ポップパンク
フィーメルオージーポップパンクかと思いきや、アメリカ出身のポップパンクバンド。ギターも兼任するから大したものだと思う。楽曲はThe Playbookや初期Tonight Aliveを彷彿とさせるメロディックパンクとポップパンクをブレンドしたようなカラフルなサウンドをプレイ。このバンドもまだまだ地味な存在ではあるが、確かなポテンシャルを持っていると言えるだろう。


2017/01/06

来日中! Parasitic Ejaculation (ディスクレビュー)


Parasitic Ejaculation - Rationing the Sacred Human Remains
Release : 2013
Label : Ghastly Music

2011年アメリカ/カリフォルニア州にて結成。Dragging EntrailsのドラマーDonovan Dettle、ベーシストのJosh Schwartz、親交のあったボーカルJonathan Neelの3人を中心に活動をスタート。

結成後直ぐにファーストデモ"Repulsive Rotted Anal Blast"をリリースすると、カリフォルニアブルータルデスメタルシーンを中心に話題を呼ぶ。2012年ファーストEP"Sickening Conduct"を発表すると、直ぐにプロモ音源を発表。Amputated Vein Recordsのサブレーベル、Ghastly Musicとフルアルバムの契約を結んだ。

Immaculate FatalityのギタリストMikeを加えて、レコーディングをスタートさせた。エネルギッシュなスラミングブルータルデスメタルを基調にキャッチーなリフ満載で、秀逸なピッキングハーモニクスが癖になる1枚。


Parasitic Ejaculation - Echoes of Depravity
Release : 2015
Label : Amputated Vein Records

2年ぶりのリリースとなったセカンドアルバム。前作"Rationing the Sacred Human Remains"で世界中のスラミングブルータルデスメタルファンを虜にした彼ら。今作は本家Amputated Vein Recordsとリリース契約を結び、制作されることとなった。

前年にドイツのブルータルデスメタルレーベル"Rebirth the Metal Productions"からリリースされたスプリット盤"Four Formidable Forms"に、Intestinal Alien Reflux、Gorepot、Traumatomyと共に参加した。

前作同様の安定したメンバーラインナップに加え、ゲストボーカルにShort Bus Pile UpのBill、Logistic SlaughterのJeremyが参加した。スネアサウンドが際立つシャープなサウンドプロダクションで制作された今作は、キャッチーなスラムリフが終始繰り広げられ、Jonathanのガテラルもアグレッシヴに繰り広げられている。ドロップベースを組み込んだスラムパートはセンス抜群。


2016/11/29

Cattle Decapitationのメンバーのよるサイドプロジェクト、その名も「Anal Trump」



ロゴが強烈。Anal Cunt直系ショートカットノイズグラインドに、ブルータルデスメタルのエッセンスを若干ブレンドしたCattle Decapitationらしいスタイル。これは本当に素晴らしい「作品」。

2015/07/27

アメリカ/ニューヨーク産ブルータルデス、Gutted Aliveが新譜"Consumed by Carnage"から新曲のリリックビデオを公開!



7月31日にCDN Recordsからリリースされる新譜、"Consumed by Carnage”から新しいリリックビデオ、"Awakening the Beast"をリリースしたのは、アメリカ/ニューヨークで活動する4人組ブルータルデスメタルバンド、Gutted Aliveだ。ノリの良いブルータルデスサウンドが◎!

2015/07/23

Disgorge (US) 完全入門マニュアル


"ブルータルデスメタル"を語る上で避けては通れない伝説のバンドといえば、"Disgorge (ディスゴージ)だ。1991年10月の結成から今年で24年。現役で活動を続ける彼らの歴史をおさらいしていきたいと思う。彼らの存在を振り返るところから、ブルータルデスメタルを掘り下げていくことが出来るはずだ。

Disgorge (from US)
https://www.facebook.com/OfficialDisgorge
http://www.metal-archives.com/bands/Disgorge/326

日本語レビュー
http://www.jttk.zaq.ne.jp/hydra/database/d/Disgorge-usa(ca).html
http://plaza.rakuten.co.jp/ojinami/diary/201302270000/

Facebookのバイオグラフィによると、"Disgorge"が始まったのは1991年10月と記されているが、本格的な始動は翌年1992年。オリジナルメンバーのBryan (ボーカル/ベース) 、Tony (ギター) 、Ricky (ドラム) の3人体制でのスタートだった。「カリフォルニアで最もブルータルなデスグラインドをプレイしよう!」と集まった3人は早速その年にファーストデモテープ、"Cognitive Lust of Mutilation"をリリース。Tonyのギターサウンドは、後のニューヨークブルータルデスメタルシーンのスタンダードとなるほど、革命的なものであったし、現在もオリジナルメンバーとしてバンドのリーダーとして鎮座するRickyの凄まじいドラムサウンドにも是非注目して聴いてほしい。



ファーストデモテープのリリース後、ベース/ボーカルだったBryanが脱退。1994年、後にブルータルデスメタルシーンに欠かす事の出来ない存在となる当時17歳だったMatti (ボーカル)、そしてEric (ベース) 、David (ギター)が加入し5人組となる。


1995年の1月にレコーディングされた楽曲が収録された新体制でのデモテープ、"Demo 1995"は、世界に向けて流通され、各国から素晴らしい評価を得る。セカンドデモテープのリリースをキッカケに、Disgorgeは数多くのイベントに出演。1996年〜1997年にかけて驚異的な速度でファンベースを確立していった。彼らのデビューアルバムとなる"Cranial Impalement"のデモレコーディングが進む中、オリジナルメンバーであったTony、そしてEricが脱退してしまった。

Mattiが新メンバーにDiego (ギター)、Stanglationで活動していたBen (ベース)を見つける頃には1年が経過してしまっていた。バンドにとっては苦悩の時期となったが、新体制になった第3期Disgorgeは、ファーストアルバム、"Cranial Impalement"を制作。後にGorgasmなどを輩出するExtremities Productionsからのリリースとなった。(現在はクローズ)


"はじまり"を予感させるMatti Wayの強烈なガテラルで幕を開けるこのアルバム。リリース済みのデモテープの楽曲で構成されており (アウトロ以外)、1999年当時のDisgorgeのベストアルバムと言えるだろう。縦横無尽に駆け回るベースラインは衝撃的だし、なんといってもMatti Wayのカリスマ性が存分に味わえる作品となっている。

リリース直後にバンドは、Deeds of FleshのErikが運営するアメリカンブルータルデス名門、"Unique Leader Records"と契約。その後すぐの1999年11月、第3期Disgorge待望のフルアルバム、"She Lay Gutted"がリリースされる。


"ブルータルデス名盤"としても名高い"She Lay Gutted"はDisgorgeの名を一気に世界へ広めた。特徴的なシンバルワークが印象的なRickyのテクニックには本当に驚かされるし、ねっとりと絡み付くように展開するDiegoのギターも、前任を継承しつつもスケール感を増していて完璧と言える。

"She Lay Gutted"をリリースしたDisgorgeはいよいよ世界へ向けてツアーに出かける。ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカをツアーし、各地のブルータルデスユースらと共演を繰り広げた。

She Lay Guttedリリース後のライブの模様。

2000年アメリカにて開催されたイベントの映像がある。Deeds of Fleshらと一緒だったこのイベント。イントロから客の盛り上がりが凄まじい。もちろん圧倒されて微動だにしないお客さんも多いのが分かる。"She Lay Gutted"の衝撃がアメリカ〜ヨーロッパ全土に広まっていく瞬間を目撃できる貴重なビデオだ。

ツアーを終えたDisgorgeは、第4期に入っていく。バンドの顔として君臨してきたボーカルのMatti Wayがバンドを脱退。後任にはDeprecatedの元ボーカル、A.J. Maganaが加入。バンドはサードアルバム、"Consume the Forsaken"の制作に取り掛かった。


既にDisgorgeサウンドの核となっていたドラム/ギターサウンドは完全に確立されたものとなっている。現行Disgorgeを支えるRicky/Diegoのコンビはアメリカブルータルデスシーンのスタンダードを築いた重要な存在であり、今作は特に彼らの気合いが感じられる、凄まじいエナジーに溢れている。2人負けず劣らないBenの凶悪なベースラインも切れ味抜群。新規加入のMaganaも気合い十分、迫力満点のボーカルワークで畳み掛けてくる。第4期Disgorgeがベストラインナップ、という人も多いだろう。

Consume The Forsakenのミュージックビデオ。

サードアルバム〜今作のツアーにおける約2年間という短い期間で、Maganaは脱退。なかなかボーカルが定まらない中、2003年からの第5期Disgorgeは、Pathology,Being Killedで後にボーカルを努めることとなるex.Sabbatic FeastのLevi Fuslierを迎え、多くのツアー、そして4枚目のアルバム制作に取り掛かる。Levi在籍前 (2002年〜20003年初頭) にはBlodequinのJamieがライブボーカルとして在籍したり、数々のサポートボーカルを迎える局面もあった。



2003年からの第5期Disgorgeはいよいよ4枚目のアルバム制作に取り掛かった。しばらく4人体制で活動をしていたが、現在も重要なラインナップとなっているギターのEdがこの頃から加入している。(*彼は日本で生まれ)

4枚目のアルバムリリースの前に、日本にとって嬉しい出来事があった。2005年、DisgorgeがTOKYO DEATH FESTにて来日公演を行ったのだ。ブルータルデスレジェンドの来日に多くのブルータルデスリスナーが沸き上がった。


TOKYO DEATH FEST 2005オフィシャルサイト


10年前にはなるが、4枚目のフルアルバム、"Paralleis of Infinite Torture"は現行最新作だ。目新しい変化はないものの、既にレジェンドと化していた彼らの人気は桁違いで、多くのフォロワーを生み出す程の存在となっていた。徹底的にファスト、軽快なテンポチェンジ、すべてが完璧なアルバムと言える。

リリースを経て、バンドは長期のツアーに出かける。しかし、バンドにとって最も悲しい事件が発生してしまう。2008年、ベーシストのBenが癌により急逝してしまった。バンドは約3年間の活動休止。黄金期となった第5期Disgorgeは思わぬ形で幕を閉じた。

2008年に亡くなったBen。

2011年、Disgorgeが再びシーンに帰って来た。現行ラインナップになる2013年まではサポートボーカルやベースを加え、ツアーを敢行。落ちる事のない人気、圧倒的なカリスマ性、世界中のブルータルデスメタルファンが彼らを待っていた。



今年に入ってから、第6期Disgorge (ボーカルにCephalotripsy, ex-Amputated Genitals, ex-CondemnedのAngel、ベースにBroken Hope, Shattered EyesのDiegoが加入) 体制で新曲"Invoked Creation of the Unseenがライブで披露された。これはブルータルデスリスナーにとっては待ちわびていたニュースであるし、彼らが近く10年以上ぶりとなるニューアルバムを出す事を予感させてくれるものであった。


ベースレスでのライブも多いみたいだが、こうして今もレジェンドとして君臨し続けているDisgorge。再来日も是非実現させてほしい。