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2017/12/29

Best Metalcore Album of 2017


私が運営するRNR TOURSでは今年、いくつかのメタルコアバンドを海外から招集した。3月のFathomsに始まり、オランダのFor I Am King、デンマークのGhost Iris。ポストハードコアバンドを中心にブッキングをした為、この3組の招集のみだった。国際的なポストハードコアの再流行に押され、メタルコアはいささか大きな盛り上がりはなかったように思うが、August Burns Redの新譜を始め、Oceans Ate Alaskaの人気爆発などは印象的な出来事だったと思う。

昨今はメタルコアもデスコアもポストハードコアもお互いに影響し合い、どのジャンルとも言い難いサウンドを鳴らすバンドが多い。これら3つのジャンルの源流に位置するメタルコアも今では何を指すものなのかの判断が非常に難しい。個人的にこれら3つを大まかに分類してみると、

デスコア : デスメタルヴァイブスを感じさせるリフや楽曲構成であり、メロディよりもリフに重きを置いたサウンド。

ポストハードコア : メロディが楽曲の要であり、メタル要素の割合が少ない、メタルコアを源流とするロックサウンド。

メタルコア : 広くメタルと呼ばれる音楽がサウンドの根元にあり、メロディックデスメタルやハードコアがクロスオーバーする中で完成されてきたメタルサウンド。

このように言える (と考えている)。あくまでも大まかなそれぞれのイメージであり、どのジャンルも日夜進化し続けている為、どのバンドをどこにカテゴライズするかは"人によって違う"。そこに間違いはない。

上にあげたOceans Ate Alaskaのようなバンドは、メタルコアに分類できると考える。彼らのサウンドの最大の魅力は手数の多いドラミングに絡みついてくるヘヴィなギターリフ、Convergeを始めとするプログレッシヴ/マスハードコアに代表されるような予測不能な楽曲展開だ。クリーンボーカルもひとつの要ではあるが、ここでは前者が広く彼らがシーンに知れ渡る要因になっていると考える。

こうしたそれぞれの違いを意識しながら、今年も多くの素晴らしいメタルコアに出会うことが出来た。何よりも大好きなAugust Burns Redの新譜が過去最高傑作と呼べるほどの完成度の高さで驚いた。印象的だったアルバムを10枚ピックアップしてみたいと思う。

作品名をクリックすると、視聴リンクに飛びます。

10 : Kingdom of Giants - 『All the Hell You've Got a Spare』

2011年から活動する北カリフォルニア出身、Kingdom of Giantsの3枚目のフルアルバム。InVogue Recordsからのリリースだ。切れ味鋭いソリッドなギターリフは綿密に作り込まれており、Kingdom of Giantsのグルーヴを生み出している。きっとFor Todayが今も活動していたらこんなバンドになっていたかもしれない。精力的にヨーロッパツアーも行っており、Our Hollow, Our Homeとタメを張るほどの人気。


09 : InVisions - 『Never Nothing』

UK出身で2016年に「Unbreakable」というシングルでデビューした彼らの1枚目。小難しいテクニックもなく、ガチガチに作り込まれたサウンドというわけではないが、雄大なリードギターが映える、シンプルで分かりやすいメタルコアサウンド。初期Of Mice & MenやAttila辺りに近いサウンドとも言えるけれど、もっとメタリックでグルーヴィーだ。NapoleonやKingdom of Giants, Currentsらのツアーに帯同するなど、これら周辺シーンの中で盛り上がりが加速する可能性があるので、今のうちにチェックしておいてほしい。

08 : Through Arteries - 『The Life, Death & Rebirth Of...』

テキサス出身、久しぶりのリリースとなった本作は、アメリカン・アンダーグラウンド・メタルコアらしさ全快の、どこか懐かしさを感じるメタルコア/ポストハードコアをプレイしている。Capture the CrownやLike Moths to Flames, Attack Attack!を聴いてきた20代後半のリスナーなら耳馴染みの良いサウンドだろう。まだまだこういうバンドがアメリカのアンダーグラウンドにいると思うと嬉しい。日本だとOcean from the Dead Screamが好きなら間違いなく気にいる!

07 : The Royal - 『Seven』

オランダ出身、Long Branch Recordsから今年3月にリリースされた本作は、ツアー中に良く聴いていたし、日本でも耳の早い人はチェックしている印象がある。かなり純度の高いメタルコアをプレイしながらも、メロディックハードコアの叙情感などを取り込み、かつバウンシーなフレーズもばっちり決めてくる辺り、相当なメタルコアディガーがソングライティングを担当しているに違いない。日本のPaleduskが好きならチェックしておくべきアルバム。


06 : Polaris - 『The Mortal Coil』

シドニー出身、ALAZKAやEmmure、We Came As Romasが所属するSharpTone Recordsからリリースされた本作は、素晴らしい完成度を誇る新しいPolarisサウンドを存分に味わうことができる名作だ。全曲リードトラックといっても過言ではないが、中でも「Relapse」や「Frailty」はこれからのPolarisの大きな飛躍を予感させるドラマティックな仕上がりを誇る。少しの叙情感とプログレッシヴ感が相互に作用したニューエイジ・メタルコアの完成系。


05 : Fathoms - 『Counter Culture』

今年3月に来日したUKメタルコア、Fathomsのラストアルバム。Artery Recordingsを離れ自主制作に戻ってのリリースとなってしまったが、Fathomsが目指したヒップホップバイヴスとメタルコアの見事な高次元融合が味わえる1枚。ジャパンツアー中に撮影したリードトラック「B.E.L.I.E.V.E」は彼ららしさが分かる1曲だし、ツアー中もプレイしたタイトル曲「Counter Culture」は今でも良く聴く。残念ながら本作のリリースツアーで解散を発表しているが、彼らの目指したサウンドを継承するいくつかのニューカマーが2018年に登場する予感がある。激動のUKメタルコアシーンに喰らい付きながらストイックに活動した彼の残した名作。

04 : Miss May I - 『Shadows Inside』

ベテラン・メタルコアバンドMiss May Iの最新作はSharpTone Recordsからのリリース。WARD RECORDSから国内盤も発売され、チェックした人も多いだろう。古き良きメタルコアサウンドをベースに、確かなテクニックで鳴らされる至極のMiss May Iサウンドは、激動の現行シーンの荒波をもろともしない輝きに満ち溢れている。ファーストアルバムから聴いているリスナーも、これから彼らを知るリスナーも様々な彼らの魅力に酔いしれることが出来る仕上がりになっている。特に「Never Let Me Stay」はMiss May Iの新境地とも言える1曲になっている。


03 : Phinehas - 『Dark Flag』

ロサンゼルス出身、現行メタルコア最高峰との呼び声高い彼らはArtery RecordingsからSolid State Recordsへ移籍して本作をリリースした。前作『Till The End』はかなり聴き込んだし、相当期待して新作も聴いたが、安心のPhinehas節全快でぶち上がりました。Destroy The RunnerからAugust Burns Red、As I Lay Dying好きまでオススメしたい1枚。Haste the DayのJimmyがフィーチャリングした楽曲「Communion for Ravens」も良いです、全曲良いけど!

02 : Oceans Ate Alaska - 『Hikari』

Fearless Recordsからのリリースとなった本作タイトルは日本語で"光"。このシーンでは度々漢字をタイトルにするバンドがいます。完全なるOceans Ate Alaskaオリジナルのスタイルを完成させ、複雑怪奇な楽曲構成ながらも様々な音楽メディアで高評価を得ているこのアルバム。ドラマーの手数の多さには目を見張るものがあるが、クリーンボーカルもまた素晴らしい。何にも形容できないこのサウンドは、アルバムアートワークの蓮をもじって"LOTUSCORE"なんて言う人がいたけど、フォロワーを生み出すのも難しいこの手の技巧派サウンドの中でOceans Ate Alaskaを超えるハイセンスをもってオリジナリティを掴むのは至難の技だろう。しばらくは彼らの快進撃に注目していたい。

01 : August Burns Red - 『Phantom Anthem』

Fearless Recordsからリリースの8枚目フルアルバム。リリース前から今年のナンバーワン・メタルコアアルバムになる事は確信していたが、自分でも驚く程このアルバムを良く聴いていた。唯一無二のメタルコアゴッドのアルバムへの期待度なんて相当なのにそれを簡単に超えてくるハイクオリティな本作は、ギターフレーズ、ドラミング、ボーカル、ソングライティング、どれをとっても一級品。強いて言えば、シンバルワークがより個性的になっているように感じた。本作を提げたアルバムツアーで日本にも来日してくれた嬉しい。ほんの少しのオリエンタル感もバシッとハマってた。








以上10枚、上位のアルバムは他のレビューサイトでも見かけたのでチェック済みの人も多いかと思うが、知らないアルバムがあれば是非この冬休みにチェックしてみてほしい。