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2018/11/29

"インダストリアル"をキーワードに考える、Crystal Lakeの「AEON」


<"インダストリアル"をキーワードに考える、Crystal Lakeの「AEON」プレイリスト>
01 : Crystal Lake - AEON
02 : Code Orange - The Hunt (feat. Corey Taylor from SLIPKNOT)
03 : Ghostemane - FLESH
04 : AUTHOR & PUNISHER - Nihil Strength
05 : Frontierer - Bombgnasher
06 : Lorna Shore - This Is Hell
07 : Cane Hill - Too Far Gone
08 : BORIS and MERZBOW - Huge
09 : FULL OF HELL - Trumpeting Ecstasy
10 : Friendship - Live 2017
*プレイリストを再生しながら、記事を読んでみて下さい。

*

Crystal Lakeのニューアルバム『HELIX』が日本先行発売され、既にCDを手に入れて繰り返しスピンしている熱心なCrystal Lakeファンも多いだろう。RNR TOURSで来日したALAZKAなどが所属するレーベルSharp Tone Recordsとの契約も発表され、11月28日にミュージックビデオ「AEON」も公開された。

Crystal Lakeが「AEON」で打ち出したサウンドは、既存の音楽ジャンルでは形容する事が出来ない。ブラスティング・メタルコア、デスメタリック・メタルコア...... 様々新しいメタルコアのサブジャンルとしてこれからこのサウンドがタグ付けされる事は間違いないが、今回この記事では、"インダストリアル"という言葉をキーワードにCrystal Lakeの新曲「AEON」と、同キーワードを通じてタグ付け出来る9組のアーティストを紹介したい。

AUTHOR & PUNISHER

インダストリアルとは、「工業的」という意味がある。Throbbing Gristleが1977年にリリースした『The Second Annual Report』がインダストリアルという音楽ジャンルの起源とも言われるが、電子音楽を研究していくと、その歴史はもっと古い。

インダストリアルとメタルが結びついたのは80年代の後半。GODFLESHやMinistryが打ち出したそれらのクロスオーバーサウンドは、90年代になるとメジャーシーンにも飛び火し、Slipknotらによってポピュラーなもの (メタルシーンにおいて) になった。

Godflesh

現在までインダストリアルメタルというサブジャンルは地味ではあったものの鳴らされ続けてきた。ここ数年印象的だったのは、パワーヴァイオレンスバンドFull of Hellが、日本のノイズミュージック巨匠Merzbowとコラボアルバムをリリースした事。Full of Hellはハードコアシーンでも根強い人気があったことから、現在のCode Orangeにも大きな影響を及ぼしていると考えられる。かつて80年代後半にGODFLESHがノイズミュージック (インダストリアルミュージックに類似する音楽の総称) に影響を受けたように、現代でもインダストリアルとハードコア/メタルは密接に関係してきた。

Full of Hell

記事トップのプレイリストは、インダストリアル・ヴァイブスが感じられるメタルコア、ハードコア、ラップ、デスコア、ノイズミュージックを中心に10曲まとめている。Lorna ShoreやCane Hillにはインダストリアルの要素はないものの、「AEON」を形成する多種多様な音楽のひとつに分類できるタイプのサウンドを鳴らしているので加えてある。

Crystal Lakeが国内のラウドリスナーに、そして新しい音楽に飢える世界中の音楽リスナーに与えている衝撃は凄まじい。彼らのマニアックな音楽趣味や、それをバンドサウンドに落とし込むセンスなども深く感じて、ニューアルバム「HELIX」を聴いて欲しい。

Crystal Lake - HELIX

2018/11/21

2018年上半期 : スラミングブルータルデスメタル総括

【Slamming Brutal Death Metal - TOP 10】
V.A. - Worldwide Slamicide (Stillbirth etc...)
*作品タイトルをクリックすると、YouTubeで視聴出来ます。

*このプレイリストで一気にチェックできます。
日夜、Slam Worldwideには世界中のスラミングブルータルデスメタルバンドのフレッシュな音源がアップされ続け、今ではスラムでないデスメタルやハードコア、グラインドコアからゴアグラインドまで様々なタイプのバンドの音源がアップロードされている。良いも悪いも雑然としていて、いったい何が良くて悪いのかが分かりにくくなってしまっているのが現状。効率良く、良質なスラミングブルータルデスメタルをディグる方法などはない。とにかくアップロードされ続ける"Slamming Brutal Death Metal"がタグ付けされたものをチェックするのがベスト。もちろんSlam Worldwideのみをディグっている訳ではないが、ほとんど良いバンドはここで見つけることが出来た。

2018年上半期のベストアルバム (EPを含む) はダントツでVasculitisだ。このバンドはオーストラリア出身で、本作『A Monument To Violence』がデビュー作品となる。地元のブルデスヒーローDisentombの影響はもちろん、Epicardiectomy、Danny Brown、Maximize Bestiality、Abominable Putridityの影響も公言している今の若いブルデスキッズといった具合。もちろんデスコアも熱心に追いかけている様子で、A Night In Texasのローカルショウにもオープニングアクトで出演している。


時点に挙げるのは、オクラホマにて2017年3月に結成されたAberrant ConstructのEP『Scaphism』。IngestedやAcraniaを筆頭に、彼らのYouTube関連動画に上がってくるようなバンドが好きなら、チェックしておいたほうがよいだろう。Vasculitisと同じオーストラリアから突如出現したMister Bigglesworthというふざけたバンド名のバンドも意外とクオリティの高いEPをリリースして話題になった。オーストラリアはデスコアの土壌がしっかりしているし、Disentombらの活躍でスラミング/ビートダウン系は局所的に盛り上がっている印象がある。


Aberrant Construct

Mister Bigglesworth

2011年にサイバーグラインドユニットとして誕生し、今では4人体制でPathologically Explicit Recordingsと契約しているUKのPurulenceの最新作もキャッチーなスラムリフ満載の良作。Facebookを見る感じだとかなりの酒飲みぽい。そもそもスラミング系のバンドはシリアスなブルデスシーンとは程遠いクレイジーなバンドが多い。だからこそ心地よい、気持ち良いリフが作れるんだろう。


Purulence

プロモ音源として公開されたいくつかの音源もアルバム/EPが期待できる内容のものがいくつかあった。Chainsaw Castrationはすでに多くのブルデスリスナーがチェックしているし、"Chainsaw"という単語がついたスラミングブルータルデスメタルバンドに外れはない (と感じてる)。Murder Pussyはバンド名で損している部分が多いだろうが、内容は良かった。


Chainsaw Castration


Murder Pussy

日本からも印象的なスラミングブルータルデスメタル作品がリリースされた。Myocardial Infarctionのアルバム、そしてGoreventが参加した『Worldwide Slamicide』は既にチェックしている人も多いだろうが、一番良かったのはAgony of Tortureの『Bangungot Sa Dilim』だろう。スラミングブルータルデスメタルにカテゴライズしてしまうにはもったいない程、多種多様なエクストリームメタルサウンドをプレイするが、彼らのサウンドの支柱にはあるのはダンサブルなリフだろう。ゴアグラインドスタイルだろうがビートダウンぽいフレーズだろうが基本的にはキャッチー。是非ライブが観てみたい。


Myocardial Infarction


Gorevent

以上が2018年上半期、印象に残った作品やバンドだ。一番聴いて欲しいのはVasculitisだが、スラミングブルータルデスメタルという狭いカテゴリーの中にも個人の好みがあったりするので、ここにリストアップしたのが全てではないということだけを付け加えておく。

2018年下半期 : スラミングブルータルデスメタル総括へ続く

2017/10/11

ディスクレビュー : Hi-STANDARD - The Gift

Hi-STANDARD - The Gift
国 : Japan
Release : 2017
Label : Pizza of Death Records

18年振りのリリースとなったフルアルバム。前作『MAKING THE ROAD』は日本のメロディックパンクを象徴する名作として今も愛聴されており、その影響は海を越え、世界中のメロディックフリークスを虜にしてきた。日本では"メロディックパンク"というジャンルの枠を越え、国民的な人気を持つ彼らの新作となれば、オリコン1位を獲得することになんら驚きを感じない。そう、肝心なのは18年のブランクを経た"Hi-STANDARDサウンド"ではないだろうか。センセーショナルなプロモーションに感動するのも仕方がないが、いったいこのアルバムで、Hi-STANDARDがどんな楽曲をプレイしているのか、そこに進化があるのか、ジャパニーズ・メロディックパンクの未来があるのか......。と、聴く前は思っていた。Hi-STANDARDに過度な期待をしていた。

アルバムを一聴して感じたのは、「18年前のHi-STANDARDがまるでその2、3年後にリリースしたようなアルバム」であるということだ。と同時に「18年という時間の経過が感じられるアルバム」とも感じた。良い意味で大きな挑戦もなく、淡々とHi-STANDARDらしい楽曲をプレイしている。Hi-STANDARDでのKen Yokoyamaはボーカルではなく"コーラス"だということを新鮮に感じた若いリスナーも多いかもしれない。Akihiro Nambaの力強いボーカルワークに時の流れを忘れてしまった当時のファンもいるだろう。

『MAKING THE ROAD』を出した後、『The Gift』を作り上げる事は出来なかっただろう。例えば、Bad Religionが『The New America』を出した後に、『True North』を作れないだろうと想像が出来るように。

誰もNOFXやThe Offspringのニューアルバムに革新的な何かを求める事はない。僕らはHi-STANDARDに新しい何かを求めすぎていたような気がする。『The Gift』のリリースツアーに出演する現行ジャパニーズ・メロディックパンクバンドにこそ、新しい何かを求めるべきだと思う。

The SupremesやBeach Boysのカバーを収録したシングル『Vintage & New, Gift Shits』から分かるようにHi-STANDARDの根幹にあるメロディのルーツを感じながら、Hi-STANDARDにおけるKen Yokoyamaのギタープレイの変化を辿るのはこのアルバムでかなり楽しめると思う。タイトなAkira Tsuneokaのドラムに、Akihiro Nambaの唯一無二のボーカル。やっぱりHi-STANDARDはカッコイイと思う。あとはHi-STANDARDに何かを期待することなく、ヴィンテージ・ハイスタンダードを味わうだけだ。さらっと再来年辺りにまたアルバムでも出してもらいたい。


2015/07/30

国際的な活動を続ける日本ブルータルデスレジェンド、PUKELIZATIONが久々のライブを開催!


2000年から活動を続ける日本ブルータルデスレジェンド、PUKELIZATIONが10月4日に久々のライブを行う事を発表した。対バンには、大阪ゴアグラインド、MAGGUTや、新進気鋭のDEADLY SINSが出演する。