未だに彼らを形容するにふさわしいサブジャンル名が見当たらない。"ファスト・メロディック"や"メロディックハードコア"、最近では"テック・メロディック"という言葉もこれらにタグ付けされたサウンドを表すジャンルとして認知されているように思う。メロディックパンクのカテゴリーを細分化していく中で、現在最も勢いがあり、個性的で良質なバンドが世界中から出演しているのが"ファスト・メロディック/メロディックハードコア"だろう。こう表現するには理由があり、彼らがBelvedereやA Wilhelm Screamの系譜にある事や、それらを起源に発展してきたからだ。上記プレイリストに含まれるいくつかの楽曲は、そこからさらにオリジナリティを持って枝分かれしたタイプのバンドも含まれている。
ファスト・メロディック/メロディックハードコアの全盛期はとうに昔の事......。そう感じているパンクリスナーは多いかもしれない。しかし、パンクはトレンドではないし、メロディックパンクの歴史も2018年で30年を迎えている。目新しい進化は必要なく、ひとつのカルチャーとしてゆっくりと途絶える事なく歴史を刻み続けていればそれでいい。私の感覚が間違っていなければ、ファスト・メロディック/メロディックハードコアは今、再び全盛期の勢いを取り戻してきている。それも南米が熱い。ここ日本にも熱心なリスナーがいる事は、日頃RNR TOURSで招集し続けている世界中のファスト・メロディック/メロディックハードコアバンドのツアーで証明出来るだろう。
今回は、2018年にリリースされた印象的なファスト・メロディック/メロディックハードコアを鳴らすバンドをピックアップし、プレイリストにまとめてみた。それぞれに異なるオリジナリティがあるので意識してチェックしてみてほしい。
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<プレイリスト : ファスト・メロディック/メロディックハードコアの未来>
01 : SHADOWS - Still Remember
02 : Fair Do's - Closing In
03 : Fullcount - The Host
04 : TOTALFAT - Visible
05 : Wolfrik - Predator
06 : Strike Again - Liberation
07 : Thousand Oaks - Echoes of a Dreadful Past
08 : The Affect Heuristic - Against The Grain
09 : Actionmen - Born To Be High *Live
10 : Main Line 10 - Friends Don't Lie *Live
11 : QUALIA - The Long Pause
12 : Cronos Debe Morir - Tormento
13 : One Hidden Frame - Quicksand
14 : waterweed - in my vein
*ブログトップのプレイリストを再生しながらポストを読んでみて欲しい。
"日本は世界一のメロディック大国。人気に隠れた彼らのマニアックな挑戦を発見して、世界に発信すべきだ。"
最も個性的で誰にも真似出来ないメロディックサウンドをプレイするSHADOWSが今年発表したアルバム『torches』は、間違いなく今年発表されたファスト・メロディック/メロディックハードコアシーンの中でダントツに優れた作品だ。本作品に収録されている「Under My Skin」は、コアなリスナーも唸らせる素晴らしい楽曲。先日、Blowfuseのジャパンツアー大阪公演で運良くTakahiroさんとお会いできた。彼はBlowfuseはもちろん、Adrenalizedなどもチェックしている熱心なリスナーだった。彼らが日本でこれだけの人気を持っている事に未来を感じるし、いつまでもリスナーを驚かせる存在でいて欲しい。
その他にもTOTALFATがリリースしたアルバム『Conscious+Practice』に収録されている「Visible」は、2008年に彼らが発表した『All The Dreamer, Light The Dream』を彷彿とさせるファストサウンドで驚いた。正直、音楽性とはかけ離れたところの人気でファンベースを保持し続ける国内バンドにはうんざりしているが、SHADOWSやTOTALFATといった人気バンドが音楽的な挑戦を続けているところには大変好感が持てるし、素晴らしいミュージシャンだと思う。
STRIKE AGAINは世界の現行シーンとリンクしながら、オリジナリティを持っているし、プレイリストには入れていないがwaterweedの現行最新曲「in my veins」は世界中のメロディックリスナーがチェックし、好評を得ている。日本ではメロディックパンクは、アンダーグラウンドではない。04 Limited Sazabysの「message」もファストメロディックとして評価出来る楽曲であることは覚えておいたほうがいいかもしれない。
"ファスト・メロディック/メロディックハードコアをよりテクニカルに発展させた先にあるのは何か。
バンドの個性が光るユーロシーンに注目せよ。"
世界的に現行で、良質なファスト・メロディック/メロディックハードコアバンドを輩出しているのはヨーロッパであろう。特にイギリスはDarkoのRobが運営するLockjaw Recordsを始め、いくつかのメロディックレーベルが存在し、個性的なバンドが多く所属する。RNR TOURSでは彼らと一緒に仕事をすることも多く、様々なバンドからオファーをもらう。Fair Do'sはプログレッシヴなフレーズを巧みに展開しながら、華麗にストップ&ゴーを決めていくスタイルでその知名度を拡大している。本プレイリストに収録されているWolfrikはBelvedereのSteveがバンドマネージャーを務めていたり、時代を超えたサポートも厚い。Fair Do'sを筆頭に、The Affect EuristicやOne Hidden Flame辺りの"シュレッダーリフ" (*スラッシュメタルに代表されるような細やかなリフワークの意味) を搭載したファストでメロディアスなサウンドは、メタルコアの影響などを少し受けながら発展している。
国によって魅力がハッキリと違うことは、コア・リスナーにとって大切だ。
メロディックパンクにも国によって、そのサウンドを分別する事が出来るかもしれないと気づいたのは、今年RNR TOURSで招集したactionmenのライブと過ごした時間から感じた。複雑怪奇な楽曲構成の根幹にあるのは、イタリア人の血に流れる芸術性だ。メロディックパンクというキャンパスに様々な色の絵の具を様々な手法で塗り込んでいくように、その奇抜さや不可解さを楽しむかのように演奏している。それはアバンギャルド・メロディックパンクとも言えるし、エクスペリメンタル・メロディックパンクとも言える。イタリア人らしさは他にもドラマーMatiasのドラムセットからもにじみ出ている。ハイハットにスネア、クラッシュシンバルはひとつで、残りはフロアタムのみ。ハイハットの打所を細かく変えながら、多種多様な音色をファストに打ち込んでいく彼のプレイに釘付けになった人も多いだろう。本人にこのシンプルなセットへのこだわりやポリシーみたいなものはあるのかを尋ねると、「たくさんの機材を持ち運ぶのがめんどくさいから、必要最低限のものでたくさんの音色を出せるようにしてるだけだ!」となんともイタリア人らしい回答に驚くとともに納得した。ヨーロッパではツアーとなれば自身のドラムセットをフルで会場に持ち込まなくてはならず、そのセッティングも3ピースバンドともなれば組み立てから解体、搬入搬出までをひとりで行わなければならない。1秒でも早くバーにいってビールを注文する為には、機材は少ないほうがいいというわけだ。
イタリアからは他にもQualia and the Five Ancestors of the Great Maryland Kingdomという長いバンド名のバンドがいて、芸術的なメロディックサウンドをプレイしており、イタリアらしさを感じる。他にも過去RNR TOURSで何度も来日しているJet MarketのAlex率いるThousand OaksがOne Hidden Flamesとリリースしたスプリット作品も芸術性の高い作品だ。今年5月に来日したFANKAZもその手のたぐいに分類出来る。
イタリアの他にも、スペイン、イギリス、ドイツ、スロヴェニアなどなどそれぞれ個性を持つ国がある。そういった違いを意識しながら聴いてみるのも面白いだろう。
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大きくブレイクする事のないジャンルではあるが、軽微な変化や地理的な違いを楽しみにながら楽しむ事が出来る絶妙なジャンルであると思うし、是非来年も様々なバンドをチェックしてみてほしい。
イタリアからは他にもQualia and the Five Ancestors of the Great Maryland Kingdomという長いバンド名のバンドがいて、芸術的なメロディックサウンドをプレイしており、イタリアらしさを感じる。他にも過去RNR TOURSで何度も来日しているJet MarketのAlex率いるThousand OaksがOne Hidden Flamesとリリースしたスプリット作品も芸術性の高い作品だ。今年5月に来日したFANKAZもその手のたぐいに分類出来る。
イタリアの他にも、スペイン、イギリス、ドイツ、スロヴェニアなどなどそれぞれ個性を持つ国がある。そういった違いを意識しながら聴いてみるのも面白いだろう。
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大きくブレイクする事のないジャンルではあるが、軽微な変化や地理的な違いを楽しみにながら楽しむ事が出来る絶妙なジャンルであると思うし、是非来年も様々なバンドをチェックしてみてほしい。


